ファッション用語において、フレアパンツとは「太ももから膝にかけて適度にフィットし、膝から裾に向かって朝顔のように広がっていくシルエットのパンツ全般」を指す包括的な総称です。英語の「flare(朝顔形に開く、燃え上がる)」が語源となっており、特定の年代や素材に限定された単語ではありません。
消費者を最も混乱させているのが、「フレアパンツ」「ブーツカット」「ベルボトム」という呼び名の住み分けです。結論から言えば、これらは別個のアイテムではなく、フレアパンツという大きなカテゴリーの中にブーツカットやベルボトムが含まれるという階層関係にあります。
まずフレアパンツとブーツカットの違いですが、ブーツカットはその名の通り「ウエスタンブーツや乗馬ブーツをパンツの内側に収めるため」に設計された歴史を持ちます。膝の絞りは緩やかで、裾の広がりも控えめなのが特徴です。一方、フレアパンツとベルボトムの違いは広がりの角度にあります。ベルボトム(bell-bottoms)は1960年代後半から70年代のヒッピーカルチャーで爆発的に流行した、裾が鐘(ベル)のように極端に大きく広がったデザインを指します。日本ではかつて「パンタロン」とも呼ばれました。
また、昨今比較されることが多いフレアパンツとワイドパンツの違いは、膝部分の「絞り(くびれ)」の有無にあります。ワイドパンツはウエストから裾までストレートまたは緩やかに太い筒状ですが、フレアパンツは必ず一度膝付近で幅が狭まり、そこから裾へと再拡張する「Xライン」を描きます。