これほどの実力とタレントを有しながら、なぜトルコはワールドカップの舞台から姿を消してしまったのか。多くのサッカーファンが抱く「トルコ ワールドカップ なぜ出られない」という疑問の背景には、地理的要因と代表チーム特有の構造的弱点という2つの側面が存在します。
最大の関門となってきたのが、UEFA欧州予選が世界屈指の激戦区と呼ばれる理由そのものです。欧州サッカー連盟(UEFA)には、フランス、ドイツ、スペイン、イングランド、イタリアといった歴代優勝国がひしめき合っています。過去のワールドカップ欧州予選は各組1位のみが本大会直行となり、2位は過酷な一発勝負のプレーオフに回るフォーマットが基本でした。南米予選のように長期間をかけて地力を発揮できる総当たり戦とは異なり、欧州予選はわずか1試合の引き分けや取りこぼしが命取りとなる過酷なトーナメントに近い性質を帯びています。
トルコ代表はポット2(第2シード)に位置することが多く、常に欧州の超メガクラブを擁する最上位シードと同居を余儀なくされてきました。さらに、スイス、オランダ、ポルトガルといった同格以上の相手とのプレーオフで幾度となく涙を呑んできた経緯があります。
もう一つの要因は、トルコサッカー界が長年抱えてきた「熱狂と短気のジレンマ」です。現地の取材現場で関係者が口を揃えるのは、感情の振れ幅の激しさです。サポーターや地元メディアの熱量は欧州でも群を抜いていますが、一度チームが躓くと激烈なバッシングが巻き起こり、代表監督がわずか数試合の不振で解任される事態が日常茶飯事でした。戦術的な継続性が育ちにくく、試合展開によって守備組織が自壊してしまうメンタリティの脆さが、勝負どころの予選終盤でことごとく露呈してきたのです。