今年のトレンドを紐解くと、二つの極端な潮流が見えてくる。一つは、平成初期を彷彿とさせるクラシックな「ワンピース型白衣」への回帰だ。ナースキャップをあえて廃止した現代のリアルなスクラブ(医療用静脈着)スタイルとは対照的に、レトロポップな記号としての白衣が、Z世代やα世代の若者にとって新鮮に映っている。レトロカルチャーの文脈で消費されるこのスタイルは、どこかノスタルジックで温かみのある雰囲気を醸し出す。
その一方で、ネオンカラーのLEDやサイバーパンク風のガジェットを組み合わせた「近未来型ナース」も急増している。点滴チューブに見立てた光ファイバーを身にまとい、近未来のディストピアを生き抜く医療従事者という設定だ。この二極化は、コスプレイヤーたちが単に既存のイメージをなぞるだけでなく、自らの手で新しい物語を紡ぎ出そうとしている証拠と言えるだろう。