臨床データ上でも、尾てい骨の痛みを訴える割合は男性に比べて女性が圧倒的に多い傾向にあります。これには女性特有の解剖学的構造とホルモン分泌が深く関わっています。
まず、女性の骨盤は男性よりも横幅が広く浅い形状をしているため、着座時に尾骨が座面に接触しやすい構造をしています。さらに大きな要因となるのが妊娠中や産後のホルモン変化です。
妊娠中は出産に向けて関節や靭帯を緩めるホルモン「リラキシン」が分泌されます。これにより骨盤周辺が不安定になり、増大した子宮の重みがダイレクトに尾骨へかかることで強い痛みを引き起こします。また、分娩時に胎児の頭部が産道を通過する際、尾骨が後方へ強く押し広げられて亜脱臼のような状態に陥ることも珍しくありません。産後の骨盤の歪みを放置しないことが、長期化を防ぐカギとなります。