耳鼻咽喉科領域の難病である好酸球性副鼻腔炎や重度の慢性副鼻腔炎は、声や表現力を武器にする芸能人にとって致命的な脅威となります。近年、メディアやSNSを通じて自らの鼻疾患と手術経験を赤裸々に公表する著名人が増え、当事者たちの共感を呼んでいます。
ヴァイオリニストの高嶋ちさ子氏は、重度の慢性副鼻腔炎(蓄膿症)を患い、大規模な手術を受けたことを自身の公式SNSで公表しました。術後に鼻腔内へ詰められた大量のガーゼを抜去する際の壮絶な激痛や、長年悩まされていた鼻づまり・頭痛から解放された瞬間の生々しい記録は、同じ症状に苦しむ多くのネットユーザーから凄まじい反響を呼びました。彼女のように手術を決断し、発信することで、副鼻腔炎が単なる「鼻水が出る病気」ではなく、生活の質(QOL)を根底から破壊する重篤な疾患であることが社会に知らしめられました。
また、お笑いコンビ・オードリーの若林正恭氏もラジオ番組『オードリーのオールナイトニッポン』などで、重度の鼻づまりや鼻中隔湾曲症、副鼻腔炎に伴う手術体験をユーモアを交えつつも切実に語っています。呼吸が通らないことによる睡眠障害や漫才中の集中力低下、手術後の劇的な呼吸環境の変化など、その証言は臨床現場の医師が語る症例報告以上に病気の過酷さを浮き彫りにしています。
芸能界や文化人の中には、成人後に突如として発症した気管支喘息の合併や、好酸球が原因となる多発性鼻ポリープによって嗅覚をほぼ完全に失い、人知れず難病指定の申請を行いながら治療を続けているケースが少なくありません。舞台俳優や声優、アナウンサーなど、声と呼吸がパフォーマンスに直結するプロフェッショナルにとって、この病との戦いは文字通り死活問題なのです。