伝統を守るだけでなく、近江町市場商店街振興組合を中心とした地域ぐるみのアップデートも加速している。観光需要の急増に対応しながら、市場本来の機能である生鮮卸売の現場を守るため、衛生管理の徹底や混雑緩和への取り組みが進められている。
キャッシュレス決済の普及や多言語案内など、現代のツーリストに寄り添う環境整備が進む一方で、水産物市場・飲食業界が誇る対面販売の温かみは一切損なわれていない。店主から「今日の白エビは格別だよ」と声をかけられ、その場で剥きたてを味見する。そうした人情味あふれるコミュニケーションこそが、金沢の朝を唯一無二の記憶へと昇華させてくれる。