魚卵といえば「痛風の天敵」「プリン体の塊」というイメージが定着している。イクラやタラコを控える人が真っ先に警戒するのが数の子だ。しかし、日本痛風・尿酸核酸学会が公表している食品・飲料中のプリン体含有量データを精査すると、意外な事実が浮かびあがる。
実は、数の子100gあたりに含まれるプリン体はわずか15mg〜20mg程度に過ぎない。これは極めて少ない数値だ。鶏レバー(約300mg以上)やマイワシ(約210mg)と比較するまでもなく、白米や一般的な野菜類と同等レベルの「極めて低プリン体な食品」に分類される。魚卵の粒一つひとつが細胞であり、DNA(核酸)が凝縮されていると思われがちだが、ニシンの卵は構造上、プリン体をほとんど蓄積しない特異な性質を持っている。
「魚卵だから痛風発作の引き金になる」という通説は、生化学的なデータを見る限り完全な濡れ衣だ。尿酸値の上昇を恐れてこの美味を完全に敬遠していた愛好家にとって、この数値は朗報と言えるだろう。