研究所が位置する石川県小松市観音下町(かながそまち)は、かつて観音下石の採掘で栄え、廃校となった小学校跡地に蔵を構えています。霊峰白山の伏流水が湧き出るこの清閑な里山に、現代建築家・新居千秋氏が手掛けたモダンな蔵と、併設のテイスティングルーム「杜庵(とうあん)」が存在します。
茶室の美学を取り入れた杜庵の空間は、世界的パティシエ・辻口博啓氏が監修に関わったことでも知られます。大きなガラス窓の向こうに広がる四季折々の田園風景と石切り場の景観を眺めながら、専属のソムリエがサーブする数種類の酒と、地元石川の厳選食材を用いたアミューズのペアリングを堪能できます。仕込み蔵の一部を見下ろすギャラリー見学もセットになっており、五感すべてで酒造りの思想を体験できる聖地です。
訪問にあたって最も注意すべきは、杜庵が完全事前予約制であるという点です。観光地の試飲コーナーのようにふらりと立ち寄って入室することはできません。公式ウェブサイトの専用予約ページから日時とプランを選択して申し込む必要があります。週末や連休の枠は数週間〜数ヶ月前に埋まることも珍しくありません。小松空港や北陸新幹線・小松駅からのアクセスはタクシーやレンタカーが基本となるため、移動時間を含めた綿密な旅程設計が不可欠です。