里芋料理への最大の障壁である「皮むきの手間」と「手のかゆみ」。これらを一挙に解決する画期的な手法として定着したのが、包丁を使わない電子レンジ下処理です。
里芋の皮をむく際に手が痒くなる原因は、皮の付近に多く含まれる「シュウ酸カルシウム」という針状結晶が皮膚に刺さるためです。この結晶は熱に極めて弱いという物理的特性を持っています。具体的な手順は以下の通りです。
- 里芋を水洗いして泥を落とし、水気を軽く拭き取る。
- 包丁の刃先を使い、里芋の胴体の中心部にぐるりと一周、浅い切れ込みを入れる。
- 耐熱ボウルに並べ、ふんわりとラップをかけて電子レンジ(600W)で里芋100gあたり約1分30秒〜2分加熱する(500gなら約8〜9分が目安)。
- 竹串がスーッと通る硬さになったら取り出し、粗熱を取る。
- 切れ込みの両端をキッチンペーパーで挟み、外側に向かって指で押し出すと、つるりと皮が剥がれ落ちる。
この里芋の皮むき裏ワザを用いれば、手がかゆくなるリスクをゼロに抑えられるだけでなく、可食部を無駄なく残すことができます。
また、従来の和食で必須とされてきた「塩もみによる徹底的なぬめり取りの方法」についても、現代の調理理論では見直しが進んでいます。里芋のぬめり成分には豊富な栄養価と旨味が含まれており、過剰に塩もみして水洗いすると、里芋本来の風味が損なわれてしまいます。レンジで下加熱を施した里芋であれば、表面の水分をキッチンペーパーで軽く拭き取るだけで十分にぬめりが抑えられ、吹きこぼれや味の濁りを防ぐことが可能です。