当事象を追跡する上で見逃せないのが、日本特有の消費文化との偶然の符号です。検索サジェストやSNSのタイムラインを観察すると、コアラのマーチ ハッピーコアラとの関連性に言及する声が少なからず確認されます。
ロッテの国民的ビスケット菓子「コアラのマーチ」には、数百種類に及ぶ絵柄の中に「見つけると幸せになれる」とされる都市伝説的ラッキー絵柄が存在します。古くは「眉毛コアラ」や「盲腸コアラ」が昭和から平成にかけて社会現象となりましたが、平成後期以降に公式に追加された絵柄の一つに、四つ葉のクローバーを掲げた通称「ハッピーコアラ」が存在します。
ネット上の一部では、「コアラハッピーハッピーというトレンドは、ロッテによるタイアップ施策なのではないか」「お菓子の絵柄が元ネタなのではないか」という推測が飛び交いました。しかし、一次資料の調査および過去の企業プロモーション履歴を照合したところ、このミームとお菓子のハッピーコアラとの間に直接的な資本関係や公式タイアップは存在しません。
ただし、この「認知の混同」こそがバズをさらに加速させた触媒であったことは間違いありません。ユーザーがコアラハッピーハッピー TikTokで動画を作成する際、パッケージから引き当てたラッキー絵柄を掲げるカットをインサートしたり、購入報告の演出としてBGMを使用したりする動きが自然発生しました。海外発のネットミームが、日本人が幼少期から慣れ親しんだ駄菓子文化と無意識に接続されたことで、特異な親近感と拡散力を獲得したのです。