発売当初、SNSやレビューサイトでは「あまりの過激さに吐き気がした」「怖すぎて最後まで聴けない」「好きなバンドだったのにショック」といった拒絶反応が一定数生じました。特に『有心論』や『me me she』などのロマンチックなラブソングでファンになった層にとって、その乖離は強い衝撃を与えました。
一方で、熱心なロックファンや批評家の間では、「人間の暗部から逃げずに描き切った傑作」「ここまでの感情の生々しさをポップミュージックで具現化できるのは野田洋次郎しかいない」と絶賛の声が上がりました。単なる耳触りの良いエンターテインメントに収まらない、表現者としての覚悟が高く評価されたのです。
その後、映画『君の名は。』や『すずめの戸締まり』などの劇伴でRADWIMPSが国民的バンドとなった現在においても、『五月の蝿』は彼らの「牙」と「表現の深淵」を象徴する重要なマイルストーンとして語り継がれています。