職業としての選択を考える上で、最も関心を集めるのが報酬面です。メディア等では「ラスベガスの一流ディーラーはチップだけで数千万円を稼ぐ」といった夢のある言説が散見されますが、地域や雇用形態による格差を冷静に見極める必要があります。
カジノディーラー年収を語る上で欠かせないのが、カジノディーラーチップ事情の仕組みです。海外ではチップの分配方式として主に2つのパターンが採用されています。
一つは、個々のディーラーが受け取ったチップをそのまま個人の取り分とする「個別受取制」、もう一つはフロア全体のディーラーでチップを合算し、勤務シフトや役職に応じて等分する「プールド・チップ制(プール制)」です。現在の大規模カジノでは、ディーラー間での過度な客の取り合いや不正の共謀を防ぐ観点から、後者のプール制を採用するカジノが主流を占めています。そのため、自分が担当するテーブルで大勝ちした客から高額チップが出ても、一定割合でプールされて給与明細に反映される仕組みが一般的です。
一方で、日本の法制度下におけるチップの扱いは極めてセンシティブです。風営法や税法、贈与税、さらにはIR整備法における収益管理の観点から、現金チップの直接授受が禁止される可能性が極めて高く、サービスチャージの均等分配やポイント還元方式といった日本独自の運用基準が検討されています。