電話加入権をめぐっては、返金問題以外にも誤った情報や見落とされがちな落とし穴が存在します。後悔しない判断を下すために、以下の3つのポイントを押さえておく必要があります。
1. 「利用休止」は永久に権利をキープできるわけではない
「将来また使うかもしれない」「手放すのが惜しい」という理由で選ばれやすいのが、回線を止めて権利だけをNTTに預ける「利用休止」です。しかし、利用休止の有効期間は原則5年間です。5年経過時に更新手続きを行えばさらに5年(最長10年)延長できますが、何の手続きも取らずに放置した場合、権利は自動的に失効(権利消滅)します。休止工事費(税別1,000円〜2,000円程度)を払って預けたまま忘れ去られ、結果的に無価値になって消滅するケースが後を絶ちません。
2. 光回線への移行で「権利が消える」という誤解
「ひかり電話に乗り換えると、高いお金を払った加入権が没収される」と思い込んでいる人がいますが、これも正確ではありません。加入電話から光回線の電話サービスへ同じ電話番号を引き継ぐ(番号ポータビリティを行う)場合、電話加入権は自動的に「休止(光移行に伴う休止)」というステータスに移行します。権利そのものが消失するわけではなく、将来光回線を解約して再びアナログ固定電話に戻す際には、その権利を再利用して回線を復活させることが可能です。ただし、現代の通信環境において光回線からわざわざアナログ回線へ戻す実利は皆無に等しいのが実情です。
3. ライトプランの存在
そもそもNTTには、施設設置負担金を支払わずに月々の基本料金がわずかに高い「加入電話・ライトプラン」という選択肢が古くから用意されていました。現在では、加入電話を新規契約する人の大半が初期負担ゼロのプランや光回線を選択しており、36,000円の負担金をわざわざ支払って新規契約を結ぶ人は極めて稀な存在となっています。