フィッツロイ・ダウン・フーディに袖を通した人が一様に口にするのが、「寒冷地にいることを忘れるほどの熱遮断力」です。この圧倒的な暖かさを生み出している中核が、800フィルパワー・アドバンスト・グローバル・トレーサブル・ダウンです。これは、NSFインターナショナルによる第三者認証を受け、強制給餌や生きた鳥からの羽毛採取が行われていないことが完全に追跡された、極めて高い倫理基準と復元力を兼ね備えた最高品質のグースダウンを指します。
一般的な都市向けダウンジャケットが550〜650フィルパワー程度であるのに対し、800フィルパワーのダウンは少量でも膨大なデッドエア(動かない空気層)を蓄え込みます。さらに、冷気の侵入を徹底的に遮断する立体的なハイロフト・バッフル構造と、ヘルメット対応のドロップコード付きフードが熱を逃がしません。氷点下10度前後の雪山稜線でビバーク(緊急露営)するクライマーの体温を守る設計だからこそ、日本の冬の寒風などは完全にシャットアウトしてしまうのが実情です。
そのため、外気温が5度を下回らない都市部の街着として着用する場合、中に厚手のウールセーターやスウェットを着込むと、駅の構内や暖房の効いた電車内では確実にオーバーヒートします。しかし、「インナーを長袖Tシャツや薄手のメリノウールシャツ1枚にする」という割り切った着こなしを取り入れることで、街着としての快適性は劇的に変化します。重いレイヤリングから解放され、真冬でもTシャツの上に羽織るだけで外出できる身軽さこそが、都市生活者がフィッツロイダウンに熱狂する真の理由です。