ミルメークの誕生は、昭和42年(1967年)にさかのぼります。開発元は愛知県名古屋市に本社を置く大島食品工業です。当時、学校給食の現場では大きな転換期を迎えていました。戦後の児童の栄養を支えてきた「脱脂粉乳」から、栄養価の高い「生乳(白牛乳)」への完全移行が進められていた時期です。
しかし、当時の生乳は現在のように高度に均質化・消臭されておらず、独特の獣臭やぬるさを嫌って大量の飲み残し(残渣)が発生し、学校現場の深刻な課題となっていました。栃木県の学校給食会から「子どもたちが残さず美味しく牛乳を飲める方法はないか」と打診を受けた大島食品工業の創業者が、粉末医薬品の製造技術を応用して創り出したのがミルメークです。
「ミルクで作る(メイクする)」から命名されたこの製品は、単なる風味づけにとどまらず、成長期に必要なカルシウムとビタミンB2を強化した栄養機能食品としての側面を持っていました。これにより、カルシウム不足に悩む全国の教育委員会へ導入の正当性を提示できたことが、地方都市を中心とした爆発的普及の起爆剤となったのです。