5人のうち4人が命を落とし、降谷零だけがなぜ過酷な運命を生き延びているのか。ファンの間でも幾度となく議論されるこのテーマの核心は、仲間たちが命懸けで繋いだ正義のバトンを、降谷がすべて引き受けて生きる宿命にあるからにほかなりません。
諸伏景光の自決は、まさに降谷の安全と任務継続を守るための捨て身の行動でした。諸伏の命と引き換えにスパイ容疑から逃れた降谷は、親友の死という底知れぬ痛恨の念を抱えながら、組織の深部へと潜り込み続けています。自決現場に駆けつけた際の降谷の慟哭は、赤井秀一への激しい執着と確執を生む発端にもなりましたが、それすらも彼を冷徹な任務遂行へと駆り立てる原動力となっています。
さらに注目すべきは、降谷の超人的な技術の数々が、殉職した仲間たちから直に学んだものである点です。松田陣平から教わった爆弾解体の技術、萩原研二の天才的なドライビングセンス、伊達航から受け継いだ現場を俯瞰する刑事魂、そして諸伏景光と分かち合った潜入者としての覚悟。降谷零という1人の男の中に、死んでいった4人の魂と技術が確実に息づいているのです。