1990年代末から2000年代初頭にかけて、日本の映像制作業界はCG技術の進歩やデジタル編集の普及により、大きな変革期を迎えていた。スタイリッシュな視覚効果や過度な加工がもてはやされる風潮の中で、一線を画す異彩を放っていたのが末田氏である。彼の視線は常に、カメラの向こう側に立つ人間の泥臭い実存に向けられていた。
商業的な成功のみを追い求めるのではなく、被写体となるアーティストの心象風景をいかに映像として提示するか。その徹底したこだわりが、やがて業界内の口コミを通じて数多くのアーティストやプロデューサーの耳に届くこととなる。