金沢の夜艦を飾るディナー選びは、旅の同行者や目的に応じた使い分けが成否を分けます。
接待や大切なパートナーとの旅行であれば、金沢駅周辺の蟹個室ディナーを提供する専門店や老舗日本料理店が第一候補となります。駅西口・東口ともに徒歩圏内に、金沢港直送の活蟹を目の前で捌いてくれる割烹が点在しており、活蟹刺しの透き通るような甘みや、炭火で香ばしく焼き上げる焼きガニの香気は、完全個室の上質な空間でこそ真価を発揮します。
一方で、金沢情緒に浸りながらカジュアルに楽しむなら、金沢おでんの名店で供される「カニ面(かにめん)」は絶対に外せません。香箱ガニの甲羅に身、内子、外子を隙間なく詰め込み、おでん出汁でじっくり温めた逸品です。「赤玉 本店」「黒百合」「ちくわ」などの有名店では冬の風物詩となっており、澄んだ出汁とカニのエキスが溶け合う瞬間は筆舌に尽くしがたい旨味を生み出します。最後に出汁の残った甲羅に熱燗を注ぐ「甲羅酒」は、呑兵衛にとって至高の儀式と言えます。