近年の看護師国家試験の合格率推移を紐解くと、全体の数値としては極めて安定した推移を見せています。厚生労働省の公式発表資料によると、総受験者数は毎年6万人規模で推移し、全体の合格率は89%〜91%前後のレンジに収まることが恒例です。例年2月中旬に本試験が実施され、看護師国家試験の合格発表日程は3月下旬に設定されています。
しかし、この安定したデータの内訳を「新卒」と「既卒」に分解した瞬間、全く異なる風景が浮かび上がります。文脈を無視して全体の数値だけを眺めていると、試験の真の過酷さを見落とすことになります。
看護師国家試験の合格点ボーダーは、必修問題が「50点中40点以上」という絶対評価で固定されている一方、一般問題・状況設定問題(合計250点満点)は受験者全体の得点分布に応じた相対評価で年ごとに変動します。不合格率全体は約10%ですが、その大半が既卒受験生に集中している実態が見て取れます。