そもそも「了解」という単語は、物事の事情を理解し、それを認めることを意味する。明治以降の漢語的表現として広まった言葉であり、元来は同僚や目下に対して「分かった」「承認した」と伝える際に使われてきた。そのため、文法的に丁寧語の「しました」を付けたとしても、根底にある「評価して認める」という目線が残ってしまい、上司や顧客に向ける言葉としては不適切だと判定されるのだ。
一方で「承知」は、頼み聞きや指示を「承る(うけたまわる)」という謙譲の要素を含んでいる。相手の意向を謹んで受け入れる姿勢が言葉そのものに組み込まれているため、「承知いたしました」と表現することで、相手への敬意を自然かつ完璧に表現できる構造になっている。