ネット上の情報では「名古屋から30分で住みやすく、おしゃれな街」というポジティブな側面ばかりが強調されがちですが、現地を歩き、住民の声に耳を澄ませると、明確な盲点や課題も浮かび上がってきます。
第一の誤解は、「名鉄東岡崎駅やJR岡崎駅の近くであれば、車を持たなくても不自由なく暮らせる」という認識です。確かに駅周辺での単身生活であれば電車と自転車で事足ります。しかし、大型商業施設(イオンモール岡崎など)や総合病院、郊外の公共スポーツ施設へアクセスする場合、あるいは雨天時の子どもの送迎を考慮すると、自家用車のない生活は著しい行動制限を強いられます。公共バス路線も網羅されているものの、運行本数は幹線を除けば決して過密ではありません。
第二の盲点が、幹線道路の慢性的な渋滞問題です。岡崎市内を東西に貫く国道1号線、そして南北を縦断する国道248号線は、日常的に交通量がキャパシティを超えています。特に朝夕の通勤時間帯や、花火大会・桜まつりといった大規模イベント時の渋滞は深刻を極めます。地元住民の間では「雨の日の夕方に248号を通るのは絶対に避ける」というのが共通認識になっているほどです。
また、人気ラーメン店や話題のスイーツショップ周辺では、週末になると市外・県外ナンバーの車で駐車場が埋まり、住宅街の生活道路に抜け道利用の車が流入するという、オーバーツーリズムの一歩手前の摩擦も一部地域で報告されています。こうした現場の日常的な負荷を事前に織り込んでおくことが、移住後の後悔を防ぐ必須条件です。