作中で描かれる霊界案内人ぼたんの最大の特徴は、一般的な「死神」という言葉から連想される不気味さや冷徹さを微塵も感じさせない天真爛漫な佇まいにあります。水色の長い髪をポニーテールに結び、ピンク色の着物を羽織って櫂(オール)にまたがり空中を飛ぶビジュアルは、当時の少年漫画界に鮮烈なインパクトを与えました。
彼女の本来の職務は、現世で命を落とした人間の魂を霊界へと迷わず導くことです。しかし、第1話で予定外の事故死を遂げた浦飯幽助の担当となったことを契機に、霊界裁判総責任者であるコエンマの命を受け、幽助が「霊界探偵」として活動する際の現場サポート役および連絡係を務めることになります。
劇中で発揮されるぼたんの能力は、直接的な武力行使よりも情報収集・後方支援・霊的補助に特化しています。代表的な装備や術式には以下のものが挙げられます。
- 霊界通信機・心霊写真機:コエンマからの指令受信や、妖気の痕跡を可視化・記録する探偵七つ道具。
- 治癒霊力・結界術:暗黒武術会編や魔界の扉編において、負傷した幽助や螢子たち人間側の仲間を守る防護バリアおよび応急処置。
- 妖気感知能力:周囲の邪悪な気配を瞬時に察知し、戦闘員ではない仲間たちへ退避を促すレーダー機能。
戦闘力そのものは妖怪や主要ファイターに及ばないものの、霊界の機密情報にアクセスできる特異な立場と、どんな絶望的な戦況でも仲間を励まし続ける精神的タフネスこそが、彼女の真の強みでした。