昼ドラ版『砂時計』が伝説と称される最大の理由は、主人公たちの成長過程を「小学生時代」「中高生時代」「大人時代」の3世代に分け、それぞれ卓越した演技力を持つキャスト陣がバトンを繋いだ点にあります。当時の面影を残しながら、今や各界で確固たる地位を築いた主要キャストの歩みを追います。
ヒロイン・水瀬杏の大人時代を情感豊かに演じきった佐藤めぐみは、その後もテレビドラマや舞台で安定した演技力を発揮し続けています。近年は俳優業に加えてピラティスインストラクターとしての知見を深めるなど、ナチュラルで凛としたライフスタイルでも高い支持を集めています。当時20代前半で重厚な愛憎劇を背負った経験は、現在の深みある演技の土台となっています。
中高生時代の杏を演じ、透明感あふれる美貌と痛々しいほどの葛藤を体現した小林涼子のキャリアは極めてユニークです。女優として数々の映像作品に出演する傍ら、農業と福祉を連携させた事業を展開する「株式会社AGRIKO」を設立。社会起業家・SDGsのオピニオンリーダーとしても脚光を浴び、マルチな才能を発揮しています。
そして、物語の導入部となる小学生時代の杏を演じた美山加恋は、かつての「天才子役」の枠を完全に飛び越えました。ミュージカルを中心とする本格派舞台女優として実力を開花させるとともに、大人気アニメ『プリキュア』シリーズで主演声優を務めるなど、声優・舞台の両軸で唯一無二のポジションを確立しています。
一方、杏の魂を救い続ける相手役・北村大悟を演じた男性陣も目覚ましい躍進を遂げています。大人時代の大悟役を務めた竹財輝之助は、大人の色気と哀愁を漂わせる名バイプレイヤーとして映画・ドラマに引っ張りだこの存在です。主演を務めた配信ドラマがアジア圏で爆発的ヒットを記録するなど、国境を越えたファンを獲得しました。
中高生時代の大悟役として不器用な優しさを真っ直ぐに演じた佐野和真、小学生時代の大悟役を務めた泉澤祐希もまた、日本のエンタメ界に欠かせない演技派俳優へと成長しました。特に泉澤祐希はNHK連続テレビ小説や日曜劇場など重厚な作品で確かな存在感を放ち、実力派バイプレイヤーとしての地位を盤石なものにしています。
ライバルであり良き理解者でもあった月島藤の大人時代を演じた渋江譲二も、特撮ヒーロードラマ出身の端正なルックスを活かしつつ、舞台やナレーションなど幅広いフィールドで堅実な活動を続けています。