ハイアンドローのストーリーテリングにおいて、観客に最も深い衝撃を与えたのが「重要キャラクターの死」です。生と死が隣り合わせの裏社会や抗争を描くなかで、主要人物の退場はシリーズ全体のトーンを決定づける転換点となりました。
1. RUDE BOYSの長・スモーキー(窪田正孝)の死
シリーズ中、最も観客の涙を誘ったのが『HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION』におけるスモーキーの最期です。無名街の地下深くで発生する有毒ガスにより不治の病に侵されていたスモーキーは、街を爆破・再開発しようとする九龍グループの魔の手から仲間たちを逃がすため、一人その場に踏みとどまり命を落としました。
当時、多忙を極めていた窪田正孝のスケジュール事情がネット上で囁かれたこともありましたが、作品構造上、スモーキーの死は「無名街の子供たちが自立し、SWORD全体が私怨を越えて巨悪に立ち向かう」ための最大の動機付けとして極めて論理的かつ美しく描かれました。
2. ムゲン崩壊の引き金となった龍也(井浦新)の悲劇
伝説のチーム「ムゲン」が解散へと追い込まれた原因は、琥珀の無二の親友であった龍也の死でした。バイクと洋食屋「ITTOKAN」を愛し、争いを好まなくなっていた龍也が九龍グループの謀略によって命を奪われたことで、琥珀は復讐の鬼と化し、SWORD地区の動乱が幕を開けました。井浦新の儚くも温かい演技が、シリーズ全体のノスタルジーと悲壮感を決定づけています。
3. 雨宮三兄弟の絆と長男・尊龍(斎藤工)の犠牲
映画『HiGH&LOW THE RED RAIN』で明かされた雨宮兄弟の過去。両親を殺害した上園会への復讐のため、単身で組織に潜入していた長男・尊龍は、弟である雅貴と広斗の目の前で凶弾に倒れました。「強く生きろ」という遺言とともに散った尊龍の姿は、孤高だった雨宮兄弟がSWORDの仲間たちと心を通わせる重要な布石となりました。