スプーンですくうという従来のかき氷の常識を覆したのが、ソウルカフェ(SEOUL Cafe)をはじめとする名店が火をつけた「糸かき氷」だ。幾重にも重なり合う極細の氷の層は、まるで織物のような美しさを放つ。ナイフを入れるとスッと刃が通り、口に運べば噛む必要もなく一瞬で淡雪のようにほどけていく。
この繊細なテクスチャーは、スイーツ・製菓業界全体にも大きな衝撃を与えた。氷そのものにフレーバーを練り込み、高精度のカッターで極限まで細く射出する特殊製法は、かき氷を「冷たい氷菓」から「皿盛りの極上デザート(アシェットデセール)」へと昇華させた。ミントチョコ、ミルクティー、濃厚抹茶といった多彩なフレーバー展開も、味覚にうるさいファンを惹きつけてやまない理由だ。