このムーブメントの先頭を走り続けているのが、稀代のヒットメーカーたちだ。社会現象とも言える大ヒットを記録した『ちいかわ』の生みの親であるナガノ氏は、愛らしさの中に不穏な現実感を混ぜ込む独自の世界観で、大人世代の心を鷲掴みにした。言葉数を最小限に抑えた演出と、感情が剥き出しになる表情の描写は、まさにこのジャンルの金字塔だ。
一方で、長年にわたりイラスト界を牽引するカナヘイ氏は、LINEスタンプを通じて「日常使いできる絶妙な脱力感」を定着させた功労者である。さらには、かつて厳格なブランディングで知られた株式会社サンリオまでもが、脱力系や自己肯定感をテーマにしたキャラクターを続々と投入し、既存のファン層を大きく広げることに成功している。個人のSNS発信から巨大IPへと育つシンデレラストーリーが、いまや珍しくなくなった。