競技で使われる石の重量は、およそ17.2キログラムから19.96キログラム(約38〜44ポンド)と国際規格で厳格に定められている。大人の力でも片手で軽々と持ち上げるのは容易ではない。円周は約91.44センチメートル、高さは最低でも11.43センチメートル。この規格から外れた石は、公式戦のリンクに置くことすら許されない。
気になる価格は、1個あたりおよそ10万円から20万円超。公式戦を行うためには1シートあたり16個の石を揃える必要があり、セットで購入すれば200万〜300万円規模の投資となる。決して安価なスポーツギアではない。だが、これだけの高価格であるにもかかわらず、世界中で作られる石の寿命は数十年から半世紀以上にも及ぶ。過酷な衝撃に耐え続ける耐久性こそが、この価格の真の裏付けなのだ。
底面も平らではない。実際には中央部がわずかにくぼんでおり、氷に接地しているのは「ランニングエッジ」と呼ばれる幅数ミリの細いリング状の部分だけだ。この極小の接地面が、氷上に撒かれた無数の微細な水滴(ペブル)と擦れ合うことで、特有のカール(曲がり)と絶妙な滑走距離を生み出す。まさに精密機器のような設計思想が宿っている。