感覚論や理想論だけでは農家は動かない。数字が実態を物語っている。EU統計局であるユーロスタットの最新公表データによれば、単一作物依存型の農場に比べ、畜産と耕作を組み合わせた農家の経営破綻率は著しく低い。干ばつや激しい降雨によって特定の作物が壊滅的な被害を受けても、畜産部門の収入がセーフティネットとして機能するためだ。リスク分散の観点において、この経営構造は圧倒的な強さを発揮する。
また、国連食糧農業機関(FAO)が推進するアグロエコロジー(生態系に調和した農業)の調査でも、驚くべき事実が明らかになった。混合農業を導入した地域では、地域内の生物多様性が平均して30%以上回復するだけでなく、化学肥料の購入費削減によって農家の純利益率が平均25%向上したという。アグロエコロジーの実践は、環境保護の免罪符ではなく、強固な収益構造を構築するための最も合理的な投資戦略なのだ。