洞内に一歩足を踏み入れると、年間を通じて17度前後に保たれた清涼な空気が全身を包み込む。水滴が一滴、また一滴と落ちる音が静寂を破り、何万年もの年月をかけて形作られた自然の彫刻群がライトアップの光に浮かび上がる。
最大のハイライトは、無数の石灰華段丘が重なり合う「百枚皿」だ。まるで水の棚田を思わせるその景観は、水流に含まれる石灰分が時間をかけて沈殿し、自然の縁を作り上げた奇跡。その美しさは一瞬で訪れる者の目を奪う。さらに奥へと進むと、高さ数十メートルにおよぶ巨大な石柱「黄金柱(こがねちゅう)」が聳え立つ。天井から垂れ下がった鍾乳石と床から伸びた石筍が途方もない時間をかけて繋がったその姿は、圧巻という言葉以外に見当たらない。時の流れを忘れるほど濃密な地底空間がそこには広がっている。