「北米の火事など、遠い対岸の火気に過ぎない」——そう言い切ることはもはやできない。偏西風(ジェット気流)に乗った微細な煤煙粒子は、太平洋を逆流するように巡回し、日本列島の上空にも影響を及ぼし始めている。
気象研究機関の最新シミュレーションによると、北米で発生した大規模な煙の一部は高層大気にとどまり、黄砂やPM2.5と混ざり合いながら北日本や東日本の空を薄く覆う可能性があるという。直接的な健康被害のリスクは現地ほど高くないものの、太陽光を遮ることによる局所的な気温低下や、作物の生育への微細な悪影響が懸念されている。気候のグローバルな連鎖を、私たちは今まさに目の当たりにしている。