インターネットミームとして親しまれてきた「宇宙猫(スペースキャット)」というモチーフを、切なくもエモーショナルなサウンドスケープへ昇華させた『溺れる宇宙猫』。気鋭のボカロPによって発表された本作は、YouTubeやニコニコ動画への投稿直後から口コミで広がり、主要サブスクリプションサービスでの音源配信が開始されるやいなや、バイラルチャートの上位へ急浮上を果たしました。
本作が特異なのは、キャッチーなネットスラングを取り入れつつも、極めて完成度の高いトラックメイキングと文学的な詞世界を構築している点です。クリエイターが手掛ける一連の関連曲群と比較しても、音像の透明感とノイズ混じりのシンセサウンドの対比が際立っており、2020年代半ばのネット音楽シーンを象徴する作品としてのポジションを確立しています。