鉄板から立ち上る香ばしいケチャップの香り。フライパンでじっくり炒められた太麺が発する、芳醇でかすかな焦げ目。なぜこれほどまでにナポリタン専門店の店内は客足を絶たせないのか。その秘密は、家では決して再現できない「二段階の加熱調理」と「麺の熟成」にある。
多くの名店では、2.1mmから2.2mmという超極太スパゲッティを使用する。茹であげた麺をそのまま使うのではない。一度氷水で締め、一晩から数時間ほど冷蔵庫で休ませるのだ。この「寝かせ」の手間によって、水分のバランスが整い、もっちりとした独特の弾力が生まれる。さらに、高温の鉄板でタマネギやピーマン、ウィンナーとともに強火で炒めあげることで、ソースが麺の表面にしっかりとコーティングされ、コクと香ばしさが極限まで引き出される。