要人警護の再構築が叫ばれていた真っ只中で起きたこの騒動は、政府の危機管理広報の脆弱性を露呈させた。国家公安委員長という職務は、警察組織を監督し、国家の治安基盤を維持する重責を担う。有事の際、トップが発するメッセージは国民に安心感を与えるものでなければならない。
ところが、現実には緊迫感とは程遠いエピソードが披露され、政府全体のリスクコミュニケーションに重大な疑問符が付けられた。現場の警察官が命がけで警護に当たっている最中、指揮を執るべき閣僚が自身の満腹感を語るパフォーマンスは、組織の士気すら削ぎかねないものだった。危機管理における「言葉の重み」を失った瞬間と言える。