「吊橋の中央で祈ると、恋の願いが叶う」。そんなロマンチックな噂がいつしか広まり、カップルや若者たちの聖地となった。噂の発端は諸説あるが、峡谷の静寂の中で自然と対峙する体験そのものが、人々の心を研ぎ澄ませてきたことは間違いない。
心理学でいう「吊り橋効果」も侮れない。定員10名に制限された木板を渡るスリル、揺れる足元、高鳴る鼓動。恐怖による興奮が隣にいるパートナーへの恋愛感情へと錯覚・増幅される。科学的なアプローチはどうあれ、スリルを乗り越えて橋の中央で手を合わせた瞬間の連帯感は、訪れた二人の距離を確実に縮めてくれる。