この唯一無二のスタイルを確立したのが、創業者である角安親氏だ。昭和30年代初頭、「世の中に本当に旨い焼きそばはないのか」という強烈な探究心から、試行錯誤の末に生み出されたのが日田やきそばの原型だった。ラーメンのスープのように出汁を重視するのではなく、麺そのものを主食として完結させるという逆転の発想が、この一杯に注ぎ込まれている。
その後、組織としての基盤を固めた株式会社想夫恋は、製麺所を自社で構え、小麦のブレンドから専用ソースの醸造、さらにはモヤシの栽培管理に至るまで徹底した品質管理を構築した。チェーン展開を進めながらもセントラルキッチン方式に頼り切らず、各店舗の焼き手が厳しい社内基準をクリアして初めて鉄板の前に立つことを許される。暖簾の味を頑なに守り抜く職人気質が、ブランドの価値を揺るぎないものにしている。