ネット上では「ナメクジを触っただけで皮膚から寄生虫が入り込んで即死する」といった過度な恐怖論や、逆に「ただの虫刺されと同じで洗えば問題ない」という軽視論が入り乱れています。医学的な事実は以下の通りです。
広東住血線虫の幼虫は、健康で傷のない皮膚を自力で食い破って侵入(経皮感染)することはありません。したがって、素手で触れた瞬間に体内へ潜り込まれるわけではない点については過剰にパニックを起こす必要はありません。
しかし、「触っても安全」というのは完全な誤解です。ナメクジやカタツムリが分泌する粘液の中には肉眼では見えない微小な幼虫が排出されていることがあり、その粘液が付着した手で口元を触る、食べ物を掴む、目をこするなどの行為によって経口・経粘膜感染が成立します。また、手に小さな切り傷やすり傷、手荒れによる亀裂が存在する場合、そこから幼虫が血流中へ侵入するリスクも指摘されています。
「子どもが庭でカタツムリを触った後、手を洗わずに指しゃぶりやお菓子を食べた」というシチュエーションこそが最も危険な侵入契機となります。