高校数学の数IIIや大学の解析学(微積分)において、0の0乗は明確に「未定義」、あるいは「不定形」として扱われます。この結論に至る最大の理由は、関数の極限(lim)をとった際に値が一つに定まらない点にあります。
2つの変数 $x$ と $y$ を同時に正の方向から0へと近づける極限 $\lim_{(x,y) \to (0,0)} x^y$ を考えてみます。このとき、近づけ方のルートによって極限値が劇的に変化します。
・$y = 0$ のラインに沿って $x \to 0$ と近づけた場合:$x^0 = 1$ であるため、極限値は1になる
・$x = 0$ のラインに沿って $y \to 0$ と近づけた場合:$0^y = 0$ であるため、極限値は0になる
・経路を工夫して近づけた場合:1や0だけでなく、任意の実数(たとえば0.5や2など)を極限値として導き出すことも可能
アプローチの仕方次第でどのような数値にも化けてしまうため、微積分の世界で $0^0$ に特定の数値を割り当てることは数学的な破綻を招きます。したがって、連続性を重視する解析学の分野では「安易に値を定めず、未定義(不定)として扱う」のが鉄則となっています。