神保町駅周辺は半径500メートル圏内に数十軒もの麺処がしのぎを削る超激戦区です。その中で神保町のラーメン行列店として確固たる地位を築く麺屋33の最大の強みは、「ラーメンの枠組みに囚われない重層的な調理アプローチ」にあります。
店主はイタリアンやフレンチなど洋食の調理バックボーンを持つ職人肌。動物系と魚介系を丹念に炊き上げる出汁の基礎工事はもちろんのこと、香味油の抽出温度、スパイスの焙煎度合い、さらにはトッピングのチーズやバゲットに至るまで、洋のガストロノミー(美食術)が緻密に組み込まれています。単なる「味の濃さ」や「インパクト」に頼るのではなく、ひと口目から完食後の余韻まで計算し尽くされた味のグラデーションこそが、違いのわかるラーメン通を唸らせる最大の要因です。
また、神保町という街が持つ「カルチャーへの感度が高い客層」と、同店の革新的なメニュー開発が完璧に共鳴している点も見逃せません。出版社勤務の編集者や学生、大学教授らが日常的に通い詰め、口コミが新たなファンを呼び込む好循環が十数年にわたり持続しています。