インターネット上の受験掲示板やSNSでは、毎年出願期になると「帯広畜産大や南九州の大学は共通テスト7割台前半でも狙える穴場」「地方の共同獣医学部は二次試験科目が少なく逆転しやすい」といった噂が飛び交います。しかし、受験指導の最前線に立つデータアナリストの見解は極めて冷徹です。
「国公立獣医に実質的な穴場は1校たりとも存在しません。全国でわずか11校しかないため、共通テストで失敗した旧帝大・医学部志望者が配点比率を徹底的にリサーチし、最もボーダーが低く見える地方校へ大量に流れてくるからです」
例えば、帯広畜産大学共同獣医学課程の特徴として、北海道十勝平野という広大な立地を活かした牛や馬などの大動物臨床・産業動物分野で圧倒的な教育基盤を誇ります。二次試験の科目負担が他大学に比べて特殊であることから、偏差値表の上では北大や農工大より低く表示されがちです。しかし、その結果何が起きるかといえば、共通テスト8割前後の安全圏を狙った受験生が全国から殺到し、実質倍率が急上昇するという現象です。
また、共通テストの傾斜配点で「理科の配点が高い」「国語や社会の配点が低い」といった特徴を持つ大学(鳥取大学や宮崎大学など)では、特定科目の失敗を挽回しようとする受験生がピンポイントで集中します。「見かけのボーダーが下がった翌年は必ず激甚な揺り戻し(志願者倍増)が起きる」というのが入試統計の不変の法則であり、安易な穴場幻想を抱いて出願することは極めて危険な賭けとなります。