電気代を最小限に抑えつつ暖かさを手に入れる鍵は、空調本体の負荷を減らし、人間の体感温度(作用温度)を人為的に引き上げることです。体感温度は「室温・湿度・気流・周囲の輻射熱」の相互作用で決定されます。
最大のレバレッジが効くのは湿度のコントロールです。同じ室温20℃であっても、湿度が30%のカラカラな状態と、湿度が50%に保たれた空間では、体感温度にして約1〜1.5℃の差が生じます。水分を多く含んだ空気は熱伝導率が高く、皮膚からの熱放散を抑制するため、加湿器を連動させて湿度40〜60%をキープするだけで、エアコンの設定温度を1℃下げても同等以上の温もりを得られます。エアコン暖房の温度設定を1℃下げると、約10%の消費電力削減につながるため、加湿による節電効果は絶大です。
第二の防壁は開口部の断熱です。住居から逃げる熱の約58%は「窓」から流出しています。厚手で床まで届く丈の断熱カーテンを取り付ける、窓ガラスに市販の断熱エアーシートを貼る、サッシの隙間にシールテープを施すといった数千円の対策を施すだけで、窓際で冷やされた空気が床を這う「コールドドラフト」を劇的に遮断できます。
さらに見落とされがちなのが、エアコン本体のエアフィルター掃除です。2週間に1度ホコリを掃除機で吸い取るだけで、熱交換器への空気流入がスムーズになり、年間約4〜6%の無駄な電力をカットできます。室外機の吸気口・排気口周辺に物を置かないことも、コンプレッサーの無駄な高負荷運転を防ぐための重要なメンテナンスです。