都内や関西圏における飲食業界の最新動向調査によると、割烹の価格帯は食材費やエネルギーコストの変動を反映しつつも、明確な住み分けがなされています。ランチ営業を行う店舗では3000円〜8000円前後の手頃な御膳やミニコースが提供される一方、夜のディナー帯における割烹料理の予算相場は、アルコール類を含めて1万5000円〜3万5000円前後が標準的な中央値です。ミシュラン星付き店や銀座・祇園の超高級割烹では4万円を超えるケースも珍しくありません。
注文形態においては、割烹料理おまかせとアラカルトの双方が存在します。現在の高級店では、仕入れの質を極限まで高めるために「本日のおまかせコース」一本に絞る店が増加傾向にありますが、老舗や伝統的な板前割烹では、短冊や木札に書かれたその日の仕入れから単品で注文できるスタイルを頑なに守り続けています。
初めて訪れる客が戸惑いやすいのが、割烹カウンター席の頼み方です。スマートに注文をこなすための鉄則は、板前との呼吸を合わせることに尽きます。
「まずはビールか日本酒をお願いし、突き出し(先付け)を味わいながら『今日のおすすめの魚は何ですか?』『今の季節、一番良い野菜の焚き合わせをお願いします』と声をかけるのが最も美しい頼み方です。予算が気になる場合は、最初に『今日はお酒を入れて1人2万円前後で、刺身と焼き物を含めて組み立てていただけますか』と率直に伝えるのが、職人にとっても最も仕事がしやすいアプローチなのです」(都内老舗割烹店主の証言)