入試選考の舞台裏では、提出された志望理由書がどのように評価されているのか。複数の私立大学・国公立大学で入試判定に携わる現役教員への取材からは、ネットのまとめ記事では語られない冷徹な採点現場のリアルが浮かび上がってきます。ある大学教授は、「志望理由書の完成度が高いこと自体は前提条件に過ぎず、面接でその文章の『裏付け』が取れるかどうかを徹底的に疑ってかかっている」と証言します。
選考官が真っ先に確認するのは、出願書類が各大学・学部が公式に掲げるアドミッションポリシー 志望理由書の合致度です。大学側は「どのような学生に来てほしいか」を入学者受け入れ方針として明文化しています。にもかかわらず、アドミッションポリシーを一度も読まずに執筆された形跡のある書類は、採点シートの基礎評価項目で容赦なく減点対象となります。大学が求める人物像と、志願者が書いた将来の目標が食い違っていれば、いくら熱烈な文章であっても不合格の烙印を押されます。
SNSや知恵袋などのコミュニティでは「学校推薦型なら志望理由書は適当でも受かる」「実績さえあれば書類は見られない」といった真偽不明の書き込みが散見されます。しかし、近年の大学淘汰の進行に伴い、大学側は「入学後の中途退学リスク」を極度に警戒しています。入学目的が曖昧な学生を受け入れた結果、モチベーション低下で中退されることは大学経営上も大きな痛手となるためです。そのため書類審査の段階から、「自発的な探究意欲を持ち、4年間学び続けられる根拠があるか」を厳格に見極める姿勢が強まっています。