低緊張を引き起こす要因は、単一のものではなく中枢神経系から末梢神経、筋肉組織、染色体の異常まで広範囲に及びます。原因特定のために小児神経科などで行われる鑑別では、大きく「中枢性」と「末梢性・遺伝性」、そして「特発性」に分類されます。
代表的な要因の一つが良性先天性筋緊張低下症です。これは明らかな脳や神経、筋肉の器質的疾患が見当たらないにもかかわらず、乳幼児期に著しい低緊張を示すもので、成長に伴って筋緊張が徐々に改善し、最終的には一般的な運動機能を獲得していく予後良好なケースを指します。
一方で、ダウン症候群やプラダー・ウィリー症候群などの染色体異常、脊髄性筋萎縮症(SMA)や先天性ミオパチーといった神経筋疾患、周産期の低酸素性虚血性脳症などが原因となる場合もあります。そのため、単なる「個人差」と自己判断せず、専門医による血液検査、頭部MRI、遺伝学的検査などを通じて背景要因を慎重に見極めることが求められます。