Q1:床だけでなく、カーペットの毛やホコリまでむしり取って食べてしまいます。大丈夫でしょうか?
A1:極めて危険な兆候です。単なる床舐めを超えて異物を摂取する「異嗜症」に発展しており、胃内異物や腸閉塞(イレウス)を引き起こして緊急開腹手術が必要になるリスクがあります。消化器疾患による激しい吐き気の紛らわし行動か、深刻なミネラル欠乏、あるいは強迫性障害の疑いがあります。早急に動物病院で腹部X線検査や超音波検査を受け、胃腸内に異物が滞留していないか確認してください。
Q2:決まって夜中や早朝にだけ猛烈に床を舐め始めます。原因は何が考えられますか?
A2:典型的な「胆汁逆流性胃炎」の疑いがあります。夕食から翌朝の朝食までの絶食時間が長すぎることで胃の中が空っぽになり、十二指腸から逆流した強いアルカリ性の胆汁が胃粘膜を刺激して激しい胸やけを起こしている状態です。対策として、夕食の時間を遅くするか、就寝直前に消化の良いドライフードを数粒〜スプーン1杯程度与えて胃酸の過剰分泌を中和させる手法が臨床上非常に有効です。
Q3:犬が床を舐めているとき、抱きしめたり声をかけて落ち着かせるのは良いことですか?
A3:原則として推奨されません。不安から舐めている場合でも、飼い主が過剰に声をかけたり抱きしめたりすると、犬は「飼い主も動揺している=この状況は異常事態だ」と認識し、不安を増幅させてしまいます。また、退屈しのぎの場合、「床を舐めると構ってもらえる」という誤学習につながります。優しく声をかけるのではなく、静かに知育玩具を渡すか、「おすわり」「待て」などの日常的な指示を出して頭を別の作業に切り替えさせることが正解です。
Q4:動物病院に連れて行くべき緊急のボーダーラインはどこにありますか?
A4:床舐めに加えて「黄色または白く泡立った液体を嘔吐した」「ぐったりして呼びかけに応じない」「下痢をしている」「呼吸が荒くお腹を波打たせている」「床舐めを制止しようとすると普段と違い本気で噛みつこうとする」のいずれか1つでも当てはまる場合は、急性膵炎、胃捻転、腸閉塞などの急性致死性疾患の恐れがあります。様子を見ることなく、夜間救急外来を含めた動物病院へ直ちに向かってください。