現場の実務では、配線こう長(電線のこう長)が長大になるケースが頻繁に発生します。そのため内線規程では、受電形態や距離に応じた許容範囲の緩和規定が設けられています。
低圧幹線における電圧降下の許容範囲と分岐回路の電圧降下基準値を整理すると、以下の運用ルールに集約されます。
1. 電気事業者から低圧で受電する場合(同一敷地内に変圧器がない場合)
引き込み口の取付点から最遠端の負荷に至る全配線において、原則として電圧降下は2パーセント以内とします。ただし、配線こう長が長くなる場合には以下のように許容値が段階的に緩和されます。
- こう長が30m以下の幹線:2%以下
- こう長が30mを超え50m以下の幹線:3%以下
- こう長が50mを超え80m以下の幹線:4%以下
- こう長が80mを超える幹線:5%以下
2. 高圧以上で受電し、同一敷地内(構内)に変圧器を設置している場合
自家用電気工作物のように構内に変圧器を有する場合、電力会社からの供給電圧変動の影響を直接受けにくいため、変圧器の二次側端子から最遠端の負荷までの全電圧降下は5パーセント以下(幹線と分岐回路の合計)まで認められています。さらに、幹線こう長が60mを超えるような長距離幹線においては、合計で6パーセント以下(幹線で最大5パーセントまで)とする緩和規定が適用されます。
このように、「2パーセント・3パーセント・5パーセント」という数値は単独で存在するのではなく、受電形態と電線の長さに応じて適切に使い分ける必要があります。