マザーリーフの正式な和名は「セイロンベンケイソウ(学名:Kalanchoe pinnata)」であり、小笠原諸島や南西諸島では自生したものが「ハカラメ(葉から芽)」の通称で親しまれています。ベンケイソウ科カランコエ属に属する多年生多肉植物で、マダガスカルや南アジアの亜熱帯地域を原産としています。弁慶のように強靭な生命力を持つことからその名が付けられましたが、何より特徴的なのは、葉の縁にある鋸歯(ギザギザとした窪み)から直接子株を生み出す「不定芽(ふていが)」の形成能です。
通常の植物は茎の節や成長点から新たな芽を伸ばしますが、セイロンベンケイソウの育て方を語るうえで外せないのが、この特異な繁殖戦略です。親株についている状態では植物ホルモンの作用により不定芽の成長が抑えられていますが、葉が地面に落ちて親株からの供給が断たれると、自己保存本能が作動して眠っていた成長細胞が一斉に細胞分裂を開始します。このメカニズムを利用したハカラメの増やし方こそが、葉を1枚切り取って水や湿った土に置く鑑賞スタイルの原点です。
市販されているマザーリーフは、厚みのある緑色の成葉がパック詰めされたものが主流です。傷がなく葉肉がしっかりと詰まった健全な葉を選ぶことが、その後の増殖成功率を左右する最初の分岐点となります。