木村良平が演技の第一歩を記したのは、数々の名優を輩出してきた劇団ひまわりだった。わずか3歳での入団。自らの意思というよりは、姉のレッスンについていったことがきっかけという無邪気な始まりだった。だが、その偶発的なスタートこそが彼の人生を大きく変えることになる。
劇団ひまわりにおける教育は、単なる発声練習にとどまらない。舞台演技、身体表現、そして現場でのプロとしての立ち振る舞い。幼い木村少年は、大人の俳優たちに囲まれながら、日常の延長のように演技の基本を吸い込んでいった。当時の関係者が口を揃えて語るのは、彼の度胸の良さと鋭い感性だ。子役特有の硬さを感じさせず、現場の空気を即座に察知して演技に反映させる柔軟性は、幼少期から群を抜いていた。