島田紳助さんが激怒した最大の理由は、本番前における楽屋挨拶の欠落にありました。当時の芸能界、とりわけ生放送の大型特番においては、若手や初参加のタレントが大物MCの楽屋へ事前に挨拶へ赴くことが暗黙の絶対的マナーとされていたのです。
キングオブコント優勝からわずか10日あまり。人力舎に所属する東京03は、急激な環境の変化と過密なスケジュールの中にいました。他事務所の大御所タレントとの共演経験もまだ浅く、マネジメント側も含めて「本番前に大御所の楽屋へ挨拶に伺う」というテレビ界特有の厳格な慣例に対する認識が徹底できていませんでした。
紳助さん側からすれば、「チャンピオンになったばかりの若手が、番組のメイン司会者である自分に挨拶ひとつなく本番を迎えた」ことが、先輩や番組への敬意を欠いた不作法と映ってしまいました。挨拶という礼儀作法を誰よりも重んじる紳助さんの逆鱗に触れたことが、生放送中の直接的な叱責へと直結してしまったわけです。