歩行者に重傷を負わせながら、なぜその場から立ち去ってしまうのか。警察の取り調べや過去の摘発事例から浮かび上がってくるのは、電動キックボード特有の「罪の意識の希薄さ」と「保身の心理」です。逃走に走る決定的な理由には、主に次の4つのパターンが存在します。
第1に、「自転車と同じ感覚」という致命的な誤認です。免許証なしで手軽にアプリから解錠して乗れる手軽さゆえに、利用者が「自分は自動車やバイクと同じ車両を運転している」という自覚を持てず、ぶつかった際も「ちょっと接触しただけ」「相手も立っているから大丈夫だろう」と事態を極端に過小評価して立ち去るケースです。
第2に、「飲酒運転事故」の発覚を恐れる隠蔽工作です。終電を逃した後の移動手段として電動キックボードを酒気帯び状態で利用し、歩行者をはねてしまう事例が後を絶ちません。酒を飲んで運転したことがバレれば即座に重罰が下るため、パニックに陥ってその場から逃走する悪質なケースが目立ちます。
第3に、「ナンバーが小さく特定されない」という甘い逃走心理です。電動キックボードのナンバープレートは原動機付自転車よりもさらに小さく、夜間であれば目視で数字を読み取られる可能性が低いと高をくくり、「逃げ切れる」と錯覚してしまうのです。
第4に、無免許(16歳未満)や不正アカウント利用による発覚恐怖です。年齢制限を偽って登録したアカウントや他人の名義で走行していた場合、事故を起こした瞬間に二重三重の不正が暴かれることを恐れ、救護を放棄して闇雲に逃げ去るケースが報告されています。