水上功治の代表作を語る上で絶対に外せないのが、1991年に放送が開始された『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』だ。近未来の架空のレーシングマシン「サイバーマシン」とAIナビゲーターを搭載したマシンがデッドヒートを繰り広げる本作は、当時の子供向けアニメの枠組みを大きく超えた作品だった。
本作で描かれたのは、単なるマシンの性能比較ではない。主人公・風見ハヤトが極限のプレッシャーと挫折を繰り返し、ライバルたちとしのぎを削る中で成長していく過酷な青春群像劇だ。水上はSFアニメの持つ先進的な世界観と、泥臭いスポーツ根性ドラマを見事に融合させた。テレビシリーズ終了後に制作されたOVA(オリジナル・ビデオ・アニメーション)シリーズでも、大人の鑑賞に堪えうる深みのあるストーリーラインを展開し、不朽の名作へと押し上げたのである。